【CAFE】美味しい×元気

実は一人で外食するのはあまり好きじゃありません。
「美味しい」
って誰かと共有できることが大事だと思っているから、
一人だとついつい食事を抜いたり、
軽食で済ませてしまうのです。

そんな私が、二ヶ月に一度くらいのペースで
食事をしに立ち寄るカフェがあります。
そこは一人で入ってもついつい会話が始まる、
そんな不思議な空間。

今ではもう珍しいといわれる団地の一角に
そのお店はあります。
両隣はシャッターが下りて、
誰かが乗り捨てた三輪車が
ぽつんと置き去りになっているような中庭に面したお店は
外からだと一見普通の喫茶店
でも一歩中にはいると
「いらっしゃいませ〜」
「いらっしゃいませっ」
「い〜らっしゃいませ」
と元気なハーモニー(決して和音になってないけど)の挨拶で迎え入れてもらえます。

カウンター6席に
2人掛けのテーブル籍が5つ。
10人もお客さんがいれば命一杯に感じる空間に
お給仕する人、料理をする人、食器を片付ける人。
色んな仕事を担当するスタッフさんが、なんと6人。

そう、お客さんより働いている人の方が多い。

そしてここのスタッフさんは、自分の休憩時間になると
ニコニコ笑ってエプロンを外し、
すかさずカウンターに座ると
「コーヒーとアイスクリーム!」
と元気よく注文しちゃったりする。


職場の近くに知的障がい者の方を支援するネットワークが経営するカフェがあることを知ったのは、
一年半くらい前の夏のことでした。
団地にある郵便局はしょっちゅう使っていたけど、
さびれた団地の中で、
かろうじてやっているお店に入るなんて考えてもいませんでした。

でもある日、何故か気になってフラリと入った喫茶店
最初から雰囲気が違って、
まずはその騒々しさにびっくり。
だってみんなすごい笑顔で、
ニコニコ笑って話しかけてくる。
「いらっしゃいませ〜。何になさいますか〜。今日はアイスクリームが美味しいですよ、ぴろ〜んぴろ〜ん」


普通のお店じゃない、と気付くのに時間はかかりませんでした。
気付いたからと行って出て行くのは失礼だし、、、
どう反応したらいいのか分からず、とりあえず笑顔で
「ありがとう」
と言ってみる。
そして味には期待しないで、コーヒーを注文。

すると嬉しい期待はずれが!
だってすごい美味しい!!

さっぱりしているのに、香りがあって、
口に含んだ時に甘さと柔らかさは
どこで飲コーヒーにも負けない美味しさ。
暫く感動して、少し涙が出ました。

以前から経堂作業所で作ったクッキーを買って、
人にプレゼントしたり、
似たようなお店があったら、意識的に選ぶようにしていたけれど、
最近すっかり足が遠のいていたので、また通える場所ができた、
と嬉しくなったから。
と同時に、味には期待しないと思った自分を恥ずかしく思いました。

一日三回、一年に1000回は食事をする機会がある私たち。
約半分を外食したとしたらなら、、、500回、一日一回は
どこかのお店で食事をしているってこと。
その食事をするという行為を通じて、
幸せの循環に参加できたら、
ただの食事がもっと楽しく、もっと美味しくなるような気がします。

BOADWALK。
横断歩道、という名前のカフェ。
これからも大切な場所として、事ある毎に通えたらいいな。